奄美点描 今週の奄美 

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■2001_5_7 「幻の花」アマミセイシカ 住用村」 [ホームへ戻る]

今回は住用村・宇検村を回っての花の便りです
アマミセイシカ アマミセイシカ
アマミセイシカ アマミセイシカ
アマミセイシカ シャリンバイ
三太郎峠の国道沿いに咲くイッペイの花
ケラマツツジ シャリンバイ
宇検村の国道沿いに咲くソメイヨシノ
ソメイヨシノ ヒルザキツキミソウ
内海公園に咲くリュウゼツラン−何年かに一度花が咲くという・・・−
 「幻の花」アマミセイシカ
 奄美の春の山々はイタジイ(方言シイギ)が一せいにもえ黄色に芽吹き、特に中南部の大島山岳地帯の遠望は、まさに樹海そのものである。このイタジイを主体とする常緑広葉樹のなかに色々の特殊な樹木を見ることができる。

 スーパー林道の住用川上流から宇検、石良への道をたどるとき、樹林のまにまに白い花の群がり咲く樹木を散見する。これがアマミセイシカである。ツツジ属のある専門書によると「幻の花=アマミセイシカ」として、図版も写真もなく簡単な記事として紹介されているに過ぎない。その理由は世界的にその名は知られているが、実体にふれた学者、あるいは愛好者が極めて少なかったからである。住用川中上流の流域と宇検村の石良の奥、「いんこじゃ…地名」と言う山林に生ずる常緑小高木である。方言ではシルザクラ(住用)、インコジャザクラ(宇検)と呼ばれる。

 さて、この植物の分類上の位置づけであるが、シヤクナゲ科、シャクナゲ属の中で、かつては奄美固有種または固有変種とされてきたが、最近、初島住彦博士は石垣、西表に産するセイシカと同一種であるとの見解を明らかにされ、その分布は奄美、石垣、西表、台湾、南中国となっている。

 したがってアマミセイシカ=セイシカで奄美の北限分子の一つということになった。樹高7〜8m(住用川上流には10メートルをこえる大木もあるとのことである)で、こずえではよく分枝する。葉は互生で枝端では数枚ないし10枚内外がそう生(群がりつくこと)状となる。

質固く、長だ円形で両端せばまり、長さ5〜10センチ、幅1・5〜3センチ、1〜2センチの葉柄があり先端はとがる。葉から受けるイメージでは、つつじの仲間とは思えない。

 花は枝端にl〜数花をつけ、花こう(花の柄)は約2・5センチ、花冠はろうと状で長さ約7センチ、径6〜7センチ、上部裂片の内面に淡黄緑色の班点がある。おしベ10、めしベ1、わずかにピンクをおびた白色の花を多数つける。

遠望すると葉が見えないぐらいに咲き誇り、奄美の春の花木としての風格は充分である。自生地は奄美の中南部山岳地帯に限られ、移植もやや困難であるが最近は鉢植えに成功した例もあり、実生からの育成もできるようである。島の宝としてこの植物の愛護と増殖に努めなければならないことを強調したい。果実は秋に熟する。漢字では聖紫花と書く。
奄美の四季と植物考 大野 隼夫 より

2001年度バックナンバー

■2001_4_11 「屋入の風景とリュウキュウイノシシ」 龍郷町」

■2001_3_5 「おがみ山・おがみ山から眺めた名瀬市」 名瀬市」

■2001_2_11 「緋寒桜とヒカゲヘゴの亜熱帯的風景 名瀬市小湊」


2000年度 バックナンバー

■2000_1_20 「緋寒桜がもう咲きました

■2000_2_ 4
「緋寒桜と桜ツツジ」 

■2000_3_5 「宇検湯湾のサクラと笠利須野海岸

■2000_3_18 「金作原原生林のイボイモリと植物」 

■2000_4_5 「さとうきび畑(ウギ)の刈り入れ風景

■2000_4_25 「住用村、市から嘉徳、湯湾岳のソメイヨシノ」

■2000_6_9 「大和村、マテリアの滝から徳浜の断崖その他

■2000_6_19 「名瀬港を望む、野原の草花他

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■2000_7_24 「龍郷町秋名の刈り干し稲とバショウの群生

■2000_9_5 「今が盛りのサルスベリの花と西郷松−龍郷町

■2000_9_18 「名瀬市を一望できるおがみ山公園 名瀬市」 

■2000_11_18 「別世界 江仁屋離(えにやばなれ)加計呂麻島瀬戸内町」


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