奄美点描 今週の奄美 

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■2001_4_11 「屋入の風景とリュウキュウイノシシ」 龍郷町」 [ホームへ戻る]

パパイヤの木 ソテツ
ガジュマル パパイヤの木に実がなっています。
バナナ パパイヤの木(3年もの)
南国の定番 ブーゲンビリア 囲いの中では島山羊と鶏が飼われていました
見渡す限りの地鶏 島山羊
屋入の入口の棚の作られていないフジ 奄美では野生のリュウキュウイノシシが飼育されています。
リュウキュウイノシシは小型で脂身が少ないので焼肉にするのがベストとのこと。
●豆知識 リュウキュウイノシシ
大陸と地続き時代の生き残り
 リュウキュウイノシシはニホンイノシシよりだいぶ小型であり、アジアイノシシ系のイノシシのうち最も原始的な種と言われている。本種はアマミノクロウサギやケナガネズミなどの南西諸島特産の哺乳類同様、南西諸島の島々がまだ大陸とつながっていた鮮新世にアジア大陸に広く分布し、かつ繁栄していたイノシシの生き残り(遺存種)と推定され、系統分類学および進化学上での価値が高い動物である。

リュウキュウイノシシの体はずんぐりしていて、首が短く太い。その代わり鼻(吻)が大変長く、前足を折り曲げなくとも平らな鼻の先を地面に着けることができる。

土の中のにおいをかいで食物を探すための巧みな適応である。鼻は丈夫にでさていて、餌探しをするだけの役目でなく、土を掘り起こすシャベルの役も果たしている。

 リュウキュウイノシシ は夜になると出て歩く。食べられる物なら何でも手当たり次第に食べる雑食性である。植物質はシイの実やクズなどの植物の根・落ちた果実など、動物質は昆虫・カエル・トカゲ・ヘビ・ネズミ・鳥の卵・腐った肉・サワガニなどを食べる。

 森林内でのリュウキュウイノシシの存在を知るのは、ほとんどが残されたフィールドサインからである。乱暴に掘り起こされた土・ぬた場の後・ぬかるみに残された足跡・泥まみれの体をこすりつけた木などを観察すると、数時間前のイノシシの行動が手に取るように分かる。このようなフィールドサインを見たかったら、奄美大島では龍郷町の長雲峠、徳之島なら三京の林道に行けばいつでも観察できる。


●分類:リユウキュウイノシシ(イノシシ科)
●分布:奄美大島・徳之島・沖縄島・石垣島・西表島に生息する。
●形態:頭胴長85・Ocm前後、尾は14・Ocm前後でニホンイノシシ(頭胴長137.Ocm、尾23.Ocm)よりずつと小さい。四肢は比較的短く、首と胴との境目は極めて不明瞭。吻(鼻・口)は著しく長く円筒形。目は小さく、耳は三角形。頭頂から肩、そして背にかけて長毛を生ずる。体色に茶色〜黒色と変異がある。
●生態:夜行性。生息域は原生林の中。雑食性で何でも食へる。奄美大島・徳之島では最大の動物といえる。徳之島のリユウキュウイノシシ個体群は地域個体群(保護に留意すべき地域個体群)として環境庁編・レッドデータブックに記載されている。保護対策が必要。
東洋のガラパゴス 鮫島正道 著 南日本新聞社 参照

2001年度バックナンバー

■2001_3_5 「おがみ山・おがみ山から眺めた名瀬市」 名瀬市」

■2001_2_11 「緋寒桜とヒカゲヘゴの亜熱帯的風景 名瀬市小湊」


2000年度 バックナンバー

■2000_1_20 「緋寒桜がもう咲きました

■2000_2_ 4
「緋寒桜と桜ツツジ」 

■2000_3_5 「宇検湯湾のサクラと笠利須野海岸

■2000_3_18 「金作原原生林のイボイモリと植物」 

■2000_4_5 「さとうきび畑(ウギ)の刈り入れ風景

■2000_4_25 「住用村、市から嘉徳、湯湾岳のソメイヨシノ」

■2000_6_9 「大和村、マテリアの滝から徳浜の断崖その他

■2000_6_19 「名瀬港を望む、野原の草花他

■2000_7_13 「龍郷町倉崎海岸他

■2000_7_24 「龍郷町秋名の刈り干し稲とバショウの群生

■2000_9_5 「今が盛りのサルスベリの花と西郷松−龍郷町

■2000_9_18 「名瀬市を一望できるおがみ山公園 名瀬市」 

■2000_11_18 「別世界 江仁屋離(えにやばなれ)加計呂麻島瀬戸内町」


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