ショチョガマ
  ショチョガマは、龍郷町秋名集落で行われている新節(アラセツ)行事で、4百年以上の伝統を誇る五穀豊穣を願う稲作儀礼である。また、祭りを行う片屋根の小屋そのものを言い、今年の豊作を感謝し、天災地変厄病の流行等ないように、そして、来年は今年以上に豊作で集落全体が平和であるように祈願するものである。昭和60年国の重要無形民俗文化財に指定されている。旧暦8月の最初の丙の日に集落が見渡せる山の中腹に山の神を招く藁葺きの片屋根を作り、集落の男衆がこの屋根に乗りチヂンの音に合わせて豊年歌を歌い、「ヨラ、メラ」のかけ声をかけながら日出とともにこの屋根を揺り倒し、倒れる方向によって今年の豊作を占うものである。南に倒れると豊作とされているが、揺り倒す行為自体にも稲穂が水田にひれ伏すほど実るようにとの意味が込められている。最後は、倒れた屋根の上で八月踊りを踊り、供え物の酒をいただいて祭りを終わる。
  ショチョガマは、昔は15才以上の子供達の行事であったらしいが、危険とのことで、父兄が材料運搬や屋根作りをするようになり、次第に若者主体の行事になって来たようである。これまでは、秋名、幾里両集落が交互にショチョガマを作り祭りを行ってきたが、若者が少なくなってきたということで、平成21年は両集落合同での開催となり、今後も一緒にやって行く方向である。