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スペイン・モロッコ編

「エクソシストだ」
 何しろ最初の海外旅行だったので、思い出深い。
 スペインでは、豪雨で旅程が狂ったりしたものの、それほどハプニングは無かったのだが、モロッコは忘れようったって、忘れられない。それくらい、ハプニング続きだった。
 スペインもマドリッドやバルセロナ辺りは都会なので、それほど海外に来たと言う、感慨もわかなかった。しかし、アンダルシアへ南下していくと、だんだんイスラム教色が強くなっていって、異国に来たんだなァ、としみじみ思う。何もかもが、物珍しい。
 ジブラルタル海峡を渡ると、「ずいぶん遠くまで来てしまったな」と感じる。それくらい一変する。風景、街のにおい・・・。全て。
 さて、モロッコでのハプニング。その一番は、エクソシストを見た、と言う事。それは同じツアーに参加していた一人が、悪魔にとり憑かれた為なのだ。もちろん実際、悪魔払いをしている現場を見た訳ではない。儀式は人に見られたら、いけないそうだ。部屋から帰って行く、後姿を見ただけ。
 どうしてエクソシストを、呼ぶ事になったか?その人の行動が日に日におかしくなっていって、ツアーガイドが「この人は、悪魔にとり憑かれている。お祓いしなくてはいけない」と言ったため。
 イヤ、でも、ホント一緒にいるの怖かった。顔付きからして、変わったのだ。あまりそう言うオカルト的なものを信じないタイプなので、悪魔憑きとは思わなかったが。ところが、100キロ近いスピードで走っていたバスのタイヤがパンクしたり、突然ラジオが故障して、一晩中雑音で眠れなかったりが続いて、精神的に弱ってきていたのだ。いくらその類を信じない私でも、少し位は悪魔払いに期待してしまう。
 で、結果悪魔払いが功をそうし、その人は少しずつ元に戻っていった。
 よかった、よかった。

「あっ、ジャッキーチェン!?」
 
そうした旅も十日が過ぎ、ちょっと疲れてきた頃。カサブランカに発つ飛行機を待っていた時、目の前に見覚えのある姿が・・・。
 「あ〜っ、ジャッキー・チェンだよ〜」
 同じツアーの参加者も、ジャッキーに気付いた。
 「サイン、欲しいな〜」
と、ジャッキーを見つめる私に、一言。
 「プライベートな旅行みたいだから、止めた方がいいんじゃない?」
 うーん、そう言うものなのか。一応納得はしたものの、やっぱりジャッキーの事は、気にかかる。ちらちら見ていると、どうもジャッキーもこちらを気にしている様子。(単なる意識過剰か?)どうやら同じ飛行機に乗るらしく、空港から同じバスに乗り合わせる。そこでジャッキーは、お茶目な事をやりだした。掴まるバーにぶら下がり、懸垂しはじめたのだ。これは、ひょっとしてアピールしているのかな、と思ったが、注意した人も同乗していたので目線を逸らしてしまう。あぁ、弱気な自分が恨めしい。
 
 その後、どうやら映画の撮影で来ていたらしいと判明。
 「やっぱり話し掛ければ良かったよ〜」と、思ったが後の祭。チャンスは2度と来ないのにね。

「パエリア、パッパヤ♪」
 
パエリア、美味しかった。豆のスープも。スペイン料理は、割と日本人の口にも合うようだ。反対に美味しいものになかなかめぐり合えなかったのが、モロッコ。肉はマトンだし、馴染みの無い味付けだったので。それに香辛料の匂いが、かなりキツイ。同じツアーの人達は、たぶん匂いに参ったんだと思う。殆どの人が、日本から持参したカップ麺や、真空パックのご飯を部屋で食べてたもんなぁ。
 モロッコの食事で印象に残っているのは、どこへいっても出てきた極甘のミントティー。ホントに甘い。ノーシュガーにしてくれ、とワガママ言ってみちゃったり。でも、出てきたものは、やっぱり変わらず甘いのだった。それと羊の丸焼き・・・。これは辛かった。だって、頭付きなんだもんなぁ。