(撮影観察・浜田太)
巣穴から出て足で立ち上がり、あたりを見回すクロウサギ | ●奄美大島にだけ住んでいるの? アマミノクロウサギは、世界で奄美大島と徳之島だけに住んでいます。大陸と繋がった陸橋は海水面が下がったり上がったりして隆起沈降を繰り返しているうちに、島として孤立(中新世)しましたが、奄美大島と徳之島の高い山間部だけは沈まずに残ったといわれます。このときクロウサギなども生き残ったのですね。島として孤立したために、進化した肉食獣の侵略も受けずに生き延びることができたのです。 ●アマミノクロウサギは、島のどこにいるの? 深い森の谷に近いところ、土や木、岩穴を利用した巣穴に棲んでいます。急斜面の切り立った土面に横穴を掘ることもありますが、倒木や、岩の下を利用することもあります。岩穴と土穴が一般的です。 |
●巣穴には、何匹のクロウサギがすんでいるの? 観察では、1匹から3匹が棲んでいるのを確認しました。夫婦なのか、親子なのかはよくわかりません。(僕は、母と子ではないかと思っています。) 子ウサギを育てるための産室を別に新しく掘るといわれてきましが、今まで研究した人はいませんでした。(→子育てのページ参照) |
●いつ巣穴から出てくるの? 個体差はありますが、平均して夜7時前後に巣穴を出て、明け方6時前後に帰ってくるのが観察できました。夜行性ですが、昼間の出入りも数例観察しています。台風などで森が大荒れでないかぎり、雨の日も稲光のときも巣穴から外へでるようです。 巣穴によっては、アマミトゲネズミやハブの出入りもありましたが、共存なのかは不明です。 |