1 はじめに
県立笠沙高等学校 数学科 堂薗 幸夫 九数教沖縄大会の発表者として参加してきました。実を言いますと「半分参加しました。」が正しいのですが,詳しくは以下をお読みください。聞くも涙(笑い),語るも涙(呆れ)のレポートになってしまっておりますが,ご容赦下さい。しょーもない内容に違いありませんので,ぜひヒマなときにお読みください。(忙しいときに読むと,腹が立つかもしれません?)
この大会の前段階として,鹿児島大会にも参加しています。6月に出水工業高校で行なわれたもので,発表者4名のうちの一人でした。4人のうち最もええかげんなレポートであったことは,疑いの無い事実です。鹿児島大会のレポートを加筆・修正しての沖縄大会でした。 (今回のこの参加レポートは部会報に載っているでしょうか?) *12 発表者になってしまった
平成8年度の日数教長崎に続き,またしても発表者になってしまったということは,ちょっと事情を申し上げておかないと,「県数教のお金で遊びに行きやがって!」とか,「補習を他の人に任せといて・・」とか,かなり評判を悪くしそう *2なので,言い訳しておきます。毎日を素晴らしい研究で過ごせれば,どこかの大学で研究者としてやっていけそうですが,あいにくのワタシの能力と,毎日の校務とでは授業をこなすので精一杯です。そういった奴が,研究発表をしようたって,実際のネタがありません。で,普段から趣味でやっているインターネットと数学についてまとめてみようと言う事になったわけです。決して素晴らしい研究の成果ではなかったわけです。申し訳ありませんでした。しかし,発表者になったからには,それなりの仕事をしなければ,「あんた何者?」と一蹴されてしまうのが,オチでしょうから,教師生命をかけて(かなりウソ)頑張りました。
発表者になったいきさつは「やらせてくれー!」というわけでなく,川辺地区から一名出さねばならないという輪番の結果からです。当時の川辺地区の評議員M高校のN先生から,「来年度は異動予定なので,評議員と発表者を決めておきたい。」と電話連絡がありました。そこで,「評議員はワタシも再来年には異動予定なので無理です。発表者なら,他の高校で誰もやり手がいなかったらやっても良いですよ。」と返事しておいたのですが,そのまま決まってしまったようでした。3 県数教(出水)大会にて
実はワタシの出身は出水高校でして,今回はお隣の出水工業高校での研究発表と言うことで,ちょっとうきうきしながらの出張でした。しかし,相変わらずの小心者のワタシは(これホント),発表がうまくゆくか緊張のひとときだったわけです。ま,終わってみたらこんな発表は,鹿児島県の教育界にとっては何ら意味をもたないものだったようで,大きな事故も無く終了しました。あっけないものです。ただ残念だったことは,今一つ笑いを取る事に失敗したという事です。(^_^;)4 九数教(沖縄)大会へ
「ニュースグループの利用は?」という質問が出ましたが,ワタシも毎日利用しているわけでなく,そんなに詳しい常連と言うわけでもありませんので,一応知ってる事だけを伝えましたが,説明の難しさを感じました。特にコンピュータについては,経験の差が大きくあり,どの程度詳しく(あるいは簡単に)説明すべきかのころあいが難しい *3ようです。発表を終えての反応や感想として以下のようなものがありました。@詳しく知ってますねェ。パソコン好きなんですねぇ。ってとこだったでしょうか。得るものは大きかったです。皆様方ありがとうございました。
Aワタシもそろそろインターネット始めようと思ってたんですよ。
Bプロバイダはシナプスがいいですかね?
CO高校のT先生はワタシなぞ足元に及ばないほど,NetMeetingを活用なさっておられる。
Dニュースグループへは安易に質問を出すべきでは無い。ニュースの低下を招く。
----さて話が長びきました。沖縄大会の話に転じましょう。
(1)沖縄への道のり
5 まとめ沖縄大会は最初にも書いたとおり,「半分」参加しました。というのは,台風の影響で乗る予定の飛行機が出られず,丸一日と一時間遅れで沖縄に到着したからです。つまり,1日目の分科会での研究発表は鹿児島からの4名は誰も参加できなかったわけです。もう少し詳しく書きますと,参加の航空券やホテルチケットは通常の大会なら,各個人で申し込み,それぞれで向かうと言ったパターンなのですが,今回は県数教の事務局の先生方の配慮で,全てをパックにして4人でワンセットのFIXチケットだったわけです。7月26日の夕方出発の飛行機でしたが,昼までの飛行機はなんとか出てましたので,便の変更をして乗りたかった *4のですが変更不可だったわけです。奄美を出た飛行機が鹿児島に着き,その便が沖縄に向かうと言う段取りだったようですが,奄美は出たものの鹿児島に降りられず福岡まで飛んでしまい,そのため我々の乗るはずの便が無くなり欠航が決まったわけです。そして振り替えた便は次の日の同時刻。更に欠航の影響が残り,機体の都合がつかなかったために,一時間遅れての出発・着でした。到着したのは27日の夜9時過ぎで,一日目の日程は全て終了した後でした。そのため,本来全体会・高校部会・分科会とレポートすべきところですが,残念ながら何も書けません。申し訳ありません。
(2)分科会一覧表
上記の通り,分科会には間に合いませんでしたので,実際の発表も聞いてはいないのですが,もらった資料から分科会のリストだけは掲載しておこうと思います。当日の配布プリントの資料などもらってきておりますので,興味のあるものにつきましては連絡いただければ,コピーなどを差し上げることが出来ると思います。連絡はこちらへどうぞ。 *5
(3)研究授業・授業研究【発表一覧:高校部会のみ】
総合学科における教育課程の編成 熊本県立翔陽高校 堀川祐二 学習内容系統構造図と授業展開スタイルの研究 宮崎県立宮崎工業高校 松田智子 学習指導上の問題 鹿児島県立阿久根高校 嶋田佳澄 カリキュラム見直しによる数学の授業の効率化 沖縄県私立興南高校 平良俊 基礎学力の定着を目指して 佐賀県立鳥栖高校 山田康智 本校1学年習熟度別クラスの取り組みについて 熊本県立荒尾高校 中野博富 主体的に学ぶ態度を育成するための工夫 熊本県立多良木高校 大石武史 授業改善の試みについて 宮崎県立高鍋高校 牧之瀬正章 確率の指導法について 長崎県立佐世保商業高校 牛之濱聖仁 数列の指導方法について 大分県立日田高校 桑原研一 中学校の教育内容との関連を踏まえた指導 宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校 緒方賢一 個に応じた指導の工夫 沖縄県立名護高校 野原剛 複素数平面の指導について 福岡県立小倉西高校 杉山博昭 複素数平面の指導 熊本県立球磨商業高校 岩尾朱美 基礎学力定着へのアプローチ 大分県立大分雄城台高校 都留寛 問題解決方略の学習指導 沖縄県立向陽高校 上江州寿 生徒に興味を持たせるために 福岡県立小倉西高校 林道宏 数学科におけるコンピュータを利用した発表授業について 福岡県立福岡中央高校 秋山譲 数学教育に関するインターネットの利用 鹿児島県立笠沙高校 堂薗幸夫 山田中学校の授業にのぞんで 福岡県立山田高校 大久保博之 入試問題研究(空間ベクトル) 長崎県立西陵高校 西陵高校数学科 数学学習の動機づけについて 佐賀県立龍谷高校 田中茂 教具作りと授業実践 鹿児島県立志布志高校 徳満成博 米国における折り紙を用いた幾何学の授業 佐賀県立伊万里農林高校 野村弘文 地域に教材を求めて 長崎県立長崎東高校 野中光治 Sidon setについて 鹿児島県立鹿児島中央高校 小野毅 4つ葉のクローバを作ろう 沖縄県立那覇国際高校 佐久川正憲
また,今年度から高校部会においても研究授業を提供ようと言うことになり,沖縄の3人の先生方に貴重な授業を見させていただいた。今まで小学校・中学校部会においてはなされてはいたが,高校部会ではパネルディスカッションや,部会講演などで二日目を終わっていた。担当の県にとっては,誰が研究授業をやるか?運営は?生徒は?など難しい部分が多いことだと思う。しかし,よく考えてみると,他県の授業(同じ県であっても他校の授業)を見ることなど,皆無に等しいのではないだろうか?そういった意味では貴重なプログラムであると思われる。今回からの研究授業で,九数教の歴史に新たな1ページが付け加わったように思う。以下内容を簡単に紹介しておく。
数学T・A(1年標準クラス) 那覇国際高校 島仲利泰 2次関数y=ax2+bx+cの係数a,b,cの符号やDなどを調べる。問題の解答だけでなく,生徒自身に問題を作らせ考えさせる。 数学T・A(1年発展クラス) 那覇国際高校 安里美香 4,5人のグループを作らせ,7問の問題を解かせる。グループで1問ずつ広用紙に解答を書き,自分の理解できなかった問題を他の生徒に説明・解説してもらう。自ら学び,自ら考える授業 *6を展開された。 楽しい数学(浦添高校2年) 陽明高校 上江州隆 「その他の科目」として楽しみながら知的好奇心を膨らますことを目標に掲げている。題材として「すごろくドボン」というゲームを使って,必勝法を探らせる。以前秋山仁氏が紹介した内容である。
(4)食事会県数教の取り計らいにより,事務局・発表者で合同の食事会をもうけていただいた。普通の大会ならば,各自で参加し,各自でホテルを手配し,広い大会会場で運が良ければ誰かと会う。といったものだったが,現事務局の甲南高校東先生は「せっかく沖縄に来て,それぞればらばらとはもったいない。 *7」という趣旨から,親睦を深め,食事をとりながら,意見交換や情報交換もやっていただきたい。とのご厚意であった。ワタシのように小規模な高校を転勤していたり,初任の先生方など,同僚の数学の先生など数えるほどしかいらっしゃらず,大変ありがたい場の設定でした。 みなさん楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
平成8年度の長崎での九数教・日数教大会に引き続き,またしても九数教大会に発表者として出させていただいたことは,自らの研修を大会の場・お金を使ってやらせていただいたような形になり,恐縮です。しかし,大変参考になりました。いつも思うのですが,日常の仕事だけをやっていると,自分が固まってゆくような気がします。こういった大会では,いろんな人から刺激を受ける *8ことで,怠け者の自分も集中的に取り組むことが出来ます。今回は残念なことに参加が一日遅れてしまいましたが,残りの日程ではいろいろな研修を深めることが出来,ほんの1cm程度一回り大きくなった気もします。
もう一つ驚いたことに,鹿児島の発表者4名のうち,出水大会では発表の順番が最後の4番目でした。なんでこんな妙な研究発表なのにトリなんだろう?と思ってましたが,4名のうち自分が一番年上で,教職経験年数が長いことが判明しました!!これは驚きでした。教員になって11年目。ワタシのような若造が・・・とか,まだまだ若輩者で・・・と思っていたところ,今回はこのような形になってしまっており,いつまでもエーかげんなことばかりしとらんで,先輩として襟を正して見本とならねばと痛切に感じました。 *9大きな事はいえませんが,若手のみなさんががんばっておられる姿もやはり刺激でした。
最後に,このように楽しい大会ですので,もっともっとたくさんの先生方に,特に若い先生方に発表や参加をしていただく事をお願いしておきます。最後の最後に,「類比方式」使いましょう!「県下一斉テスト」うけましょう!
平成8年の長崎大会参加レポートは,郵送したにも関わらず,どこかの闇に葬られてしまっていたので,今回の沖縄大会レポートは載っていて欲しいのだが・・・現事務局の甲南高校東先生には「レポート書きます」と約束したのだが・・・またしても,こんなにふざけたもん書きやがって!と怒られそうである。
本校も一応,夏季補習を7月いっぱい実施していますが,この大会の参加のため,3日間は時間割を空けてもらいました。進路担当者には申し訳無く,わがままを言ってしまいました。でも,生徒にとっては,「数学の補習がなくてラッキー」って感じだった事でしょう?
例えば数学の先生の集まりにおいては,「ピタゴラスが・・・」と言えば,三平方の定理が周知の事実でそれ以上も,それ以下も説明は不要のはずですが,国語の先生の集まりではこんな事は言えず,「ピタゴラスの直角三角形の三辺に成り立つ,中学校で習う最も基本的な幾何の定理では,・・・」と事細かに説明せねば伝わらないわけです。コンピュータで言いかえると,「html文書に張りつけるJavaScriptが,・・・」という言い方は,好きな人(専門にやっている人)向けの口調であり,その人のスキルに応じた(理解可能な)話し方を心がける必要があるわけです。これって,教育の基本だと思います。
台風は順調に北上を続けており,雨風もだんだんと強くなり始めていた。夕方は台風の影響が出そうで心配していたが,案の常の結果に終わってしまった。ANAの鹿児島〜沖縄便は朝・昼・夕の3本あるが,朝・昼までは出発していた。これが残念である。(T_T)
*5
連絡先
〒899−1201 鹿児島県川辺郡大浦町1275 笠沙高等学校
Email dozono@po.synapse.ne.jp
当日一日遅れで到着しながら,安里先生の授業研究の際に感想を一言言わせていただいた。こういった生徒自身による発表は,知識の定着だけでなく,学習を深めてゆく動機づけにも成り得るように思う。授業準備や発表させることは大変だろうが,生徒が自ら進んでやってゆくことこそが,ホントに学ぶということであると感じた。能力のある生徒さんたちであり,数学の分野だけにとどまらず,自然科学さまざまな事に取り組んでいってもらいたい。応援してます。
*7
正確には,「別々に飲むのは面白くない。」かもしれない。
インターネットという道具を使えるようになった昨今,物理的距離のご近所のつきあいでなく,地球規模のおつきあいが広がり,心理的に「遠い」という感覚が減ってきた。ネット上にはスゴイ人,もちろん足下にも及ばぬ人がたくさんおり,刺激を受けっぱなしである。
高校生と毎日つきあってるからか,それとも精神年齢が低いのか,いつまでたっても若造の気分は抜けない。しかし,体力的にというか,生物学的に30を越えた今,あちこちが壊れ始める頃である。それに,奥さん子供からあきれられている毎日である。もう少し落ち着かねば・・・・・