従来の極限の問題を複素数平面で考える
極限の代表的問題も,複素数平面の点の一次変換ととらえて,解くこともできる。以下,具体的に表してゆく。
問 右図のように,PがOから順に,P1,P2,P3,……と進む。
ただし,OP1=1
1
P1P2=---OP1
2
1
P2P3=---P1P2
2
:
1
Pn-1Pn=---Pn-2Pn-1
2
Pはどこに近づくか?
解 一般に点Pnが表す点をZnとかく。ここで,Z1=1である。
---→
----→
Pn-1Pn=ZnーZn-1 (n≧2)である。
--→ ----→ --→ →
・P1P2=Z2ーZ1は,OP1=Z1を90゜回転して,長さを半分にしたものより,
1
Z2ーZ1=---(cos90゜+isin90゜)×1
2
i
=---
2
--→ ----→ --→ ----→
・P2P3=Z3ーZ2は,P1P2=Z2ーZ1を90゜回転して,長さを半分にしたものより,
1
Z3ーZ2=---(cos90゜+isin90゜)×(Z1−Z2)
2
i i
=---×---
2 2
i 2
=(---)
2
:
: 一般化させて
i nー1
ZnーZnー1= (---) としてよい。これは,階差数列が
2
i
i
初項--- 公比--- を意味するから,
2 2
n≧2のとき
n-1 i
k
Zn=Z1+
Σ (---)
k=1 2
i
i n
--- ー (---)
これは,n=1のとき,
2 2
=1+----------------
i
Z1=1+0=1となり成り立つ。
1ー ---
2
よって,Znの極限 limZnは
i
i n
--- ー (---)
2
2
4 2
4 2
limZn = lim{1+----------------}
= ----+---i つまり,Znは点(---,---)に近づく。
i
5 5
5
5
1ー ---
2
以上のように,一般的には数列の極限の問題ではあるが,複素数の一次変換を使うこと
によって,更に意味が出て来ることが分かる。