(東大 2012−3 確率漸化式) 2015.12.14 

probability in recurrence relation

東京大学の文系・理系ともに出題された,2012年の確率漸化式(かくりつぜんかしき)の問題です。

東大理系数学'12年前期[2]

図のように、正三角形を9つの部屋に辺で区切り、部屋P,Qを定める。1つの球が部屋Pを出発し、1秒ごとに、そのままその部屋にとどまることなく、辺を共有する隣の部屋に等確率で移動する。球がn秒後に部屋Qにある確率を求めよ。

   

このアニメの解説は,のちほど。。。。。

【いきさつ】

郷中ゼミを見学した。2015.12.13(日)

これは,難関大学を希望する高校2年生対象に,県内の英・数・国の指導者が,講座を開設するというものである。
生徒も県内あちこちから(離島も含め)集まっており,理系,文系それぞれのクラスが出来ている。
ちなみに夏は高3生,冬は高2生という形態です。

今回の授業の中で,アクティブラーニングを実践しているA先生の数学の授業を見学させてもらった。
写真の通り,立たせたり,隣同士話し合ったり,教えあったり,空中に右手でグラフを書かせたり,
それは,活動的という意味でもアクティブなものであり,深く考えるという意味でもアクティブであった。
(写真はもちろん生徒が特定できないよう,雰囲気が伝わる程度に小さくしてあります。)
参観する教員も20人程度だっただろうか?生徒だけでなくその場にいる全員が学ぶという姿勢だった。

その中で,東大の2012年の問題が最後に出され,少し時間不足で終わったところもあったので,
補足を込めてこのページを作成している。

高校2年生が集まっているわけだが,いろいろな高校からやってきている関係上,数列を未習のところもある。
確率に関しては,1年生で終わっているはずであるが,時間も経っていることと,入試問題のような演習までは
出来ていないと思われる。
今回の確率漸化式の問題については,大部分の生徒にとって「初めて」体験する,分野間の融合のようなものだろう。
確率が推移していき,それによる漸化式が成り立ち,一般項として確率が言えることは,驚きだったかもしれない。

東大の,三角形の隣のマスに移動するという問題が,まさに今回の確率漸化式との初対面としては相応しかった。

【解説】

 

【ポイント】 作ったアニメを解説する。

PとQの部屋が記入してあるのは,対称性からRという部屋を考えなさいよ,というヒントだろう。


その他の部屋は,ABCDEFとしたが,あえて名前を付けずとも,意味するところはおいおい分かってくるだろう。



青の色が動くアニメは,

1.最初にPにあるが,
2.1秒後には隣の部屋(ABC)を青くして,そこに動く可能性があるということを意味しており,
3.更にその次には,隣の部屋(PQR)を青にしたのは,そこへ動く可能性ということである。
4.更にその後は,隣に動くと部屋(ABCDEF)を青くしたが,そこへ動く可能性ということを表し,
5.ここで交互に変わる周期性を持つことを意味している。

(最初これを見たとき,LIFE GAMEの振動子のようだなぁと思いました。)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ライフゲーム



赤の色が動くアニメは,逆回転再生だと思ってほしい。

1.最終的にRの部屋にいるということは,
2.その1秒前には隣の部屋(BDE)のいずれかにいたことを表し,
3.更にその1秒前には,その隣の部屋(PQR)にいたことを表している。



結果的に,時間の進行通りの青と,逆回転再生の赤を比較すると,
PQRの部屋というものが(原子力マークの逆のように見えます!)
カギになっていることが分かります。




おそらく,奇数秒後の確率は0と書いても,数点はもらえたのではないかな?
偶数秒後しか可能性がないのは,すぐにわかることでしょう。

最後に書いた,極限的な発想は数Vにつながるものです。
長時間後には,「PQRのどこか」に「均等の確率」でいるということを表していますね。

 

これが模範解答。ちょっと計算ミスがあったので,修正しています。配布された生徒の皆さん,ごめん。<m(__)m> いろんな大人の事情があるんですよ・・・

 

 

【おまけ】

 

さて,最後に,その授業の様子とアニメーションの作成について書いておきます。

       

こんな感じの授業は,アクティブですよね。

    今回の授業の中で,アクティブラーニングを実践しているA先生の数学の授業を見学させてもらった。
    写真の通り,立たせたり,隣同士話し合ったり,教えあったり,空中に右手でグラフを書かせたり,
    それは,活動的という意味でもアクティブなものであり,深く考えるという意味でもアクティブであった。
    (写真はもちろん生徒が特定できないよう,雰囲気が伝わる程度に小さくしてあります。)
    参観する教員も20人程度だっただろうか?生徒だけでなくその場にいる全員が学ぶという姿勢だった。

というコメントは,この写真を見ながらのほうがいいでしょうね。

 

更に,アニメーションは,

Photoshopで,ペタペタと色塗りする。
GiamでGIFアニメーションへの処理をする。

やっぱり,いつものたったこれだけでした。

この更新は,もちろん,授業者A先生に承諾をいただき,生徒の顔も分からないように処理したものですが,責任はすべてDOZONOにあります。

アクティブな授業のお礼に,アクティブなページを,素早く作らねば!という使命感を感じたからです。鹿児島県は熱いのです!

 

 

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