(直線束と円束)     2002.5.25
 

直線と円に関する問題に,(    )+k(    )=0という形が登場することがある。

それは,である。  っつーーーことの話。。。。。。

(たばでなはく,そく)というものが存在する。ある条件を満たす図形の集合体である。

英語では,pencil of lines とか pencil of circles と呼ばれる。
 pencilとは,鉛筆以外に束の意がある。(びっくり!)

直線束 pencil of lines の例

上記の式は,赤の直線がy=3x−1 青の直線がy=−x+3 移項して変形すると,
3x−y−1=0 と x+y−3=0 である。

それを媒介変数(パラメータ)kを使って,mixすると,
3x−y−1+k(x+y−3)=0 となる。

このkの値をいろいろと変えることによって,緑の直線が出来上がる。
の交点の座標である(1,2)を定点として必ず通る直線の束である。

(ちなみにk=0のときは,赤の直線そのものね。青の直線はこれでは表現できない)

 

円束 pencil of circles の例

上記の直線束の例を踏まえて,円と直線をパラメータkで結ぶと何が起こるか実験してみると,,,

つまり 青の円 x+y+2x−4y=0 と 水色の直線 y=x+1 移項して x−y+1=0をmixして

(x+y+2x−4y)+k(x−y+1)=0 という式を作ってみる。

              √6 √6       √6    √6
これは,交点の座標(----,----+1) (−----,−----+1)
              2   2         2     2
を定点として通る,赤の円の束を表す。

(ちなみに,k=0のときは,青の円そのものを表現する。k→±∞とすると,直線に近似してゆく。)

 

《解説》

実は難しいのは,円をグラフソフトで表現するところにある。こうかくと問題の本質とはずれるが,円は2価関数であるため,つまり一つのxの値に,yの値が二つ存在するため,パラメータ曲線としてえがく必要がある。

x=(ROOT5)*COST-1,y=(ROOT5)*SINT+2 が青の円を表現する。

そして,赤の円をkを使ったパラメータ曲線の表現をすると,2交点を結ぶ線分の垂直二等分線(2交点の中点(0,1)をとおる)上の任意の点から,交点までの距離が半径となることを利用して,次のように求められる。手書きの表現と,パソコンが理解できる表現との違いが大きい例であろう。

x=ROOT(2KK+3)*COST-K,y=ROOT(2KK+3)*SINT+(K+1) が赤の円である。

 

hamadaさん作の EasyGraphVer3.0 を利用しています。