(大阪教育大学 円の重心の軌跡 面積の最小値) 2010.10.2
 
大阪教育大学の入試問題で,軌跡をからめた,動的にイメージしなければ解きづらい問題がある。コレだ・・・

(1)と(2)と(3)それぞれに味わい深い問題であり,アニメーションを見れば,何をしなければならないかが分かる問題だと言えよう。文章だけでは伝わらない問題だろう。

以下順番に,図と解説を見ていただこう。

 (1)

Pが動く事によって,できる三角形が変わる。その際,重心Gも回転運動に付き合わされる形となる。

計算上は,P(s,t)とおいて,s,tの関係式を,重心Gからx,yの式に変えていかねばならない。

 (2)

PGの距離は,やはりPが円周上を動く事で変わっていく。しかし,最短距離は,PGよりもむしろ,QRの中点Mについて,「突き抜けた」OPGMが一直線上に並ぶような直線y=1/2 xが問題であることが分かる。細かいところではなく,大局的な視点が必要な問題である。

 (3)

最後の問題だけあって更にややこしい。(2)と同一点の気配もしないでも無いが,全く違う。QRを三角形の底辺と考えると,QRの直線と平行な直線が,三角形の高さに当たることが理解できるであろう。つまり,OQの距離から,円の半径1を引いたものが,高さとしては最小,つまり三角形の面積としても最小を意味する。そのときOPの延長は,QRと垂直になっているのであ〜る。

 

こうしてみると,一目瞭然で,何をすべきかが分かってくる問題である。噛めば味のある問題であった。

 

(エピローグ)

 実は,この文章を一番最初に打っている。今日,12時間ぐらい前に授業(土曜日の課外)でやった問題なのだが,その際にも,プロジェクターとPCを使い,黒板に投影しながら説明をした。ただし,時間の関係で,予備校的な授業と言ったら良いだろうか,計算よりも視点や発想を重視した授業であり,あとから見ると板書はぐちゃぐちゃであった。しかし,動かしながらライブで伝える授業は,黒板上のチョークだけでの静的なものとは異なり,活き活きとしたものであったと思いたい。

 軌跡の解答の中には,このパターンの出題は数多く見られる。図から細かい点に光を当てて,直線や距離や面積などとも融合させていく。図形と方程式の分野は,計算だけではなんともし難い出題が多い。演習問題にたくさん当たり,勘というかセンスと言うか,見立てと言ったら良いだろう,自分なりの流れを持ちたいものである。細かいところではあるが,作図が雄弁に物語るため,類題等はすぐに作れるだろう。

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今回は,GRAPESを利用してグラフ作成をし,photoshopで加工し,Giamでアニメーション作成を行った。本日分かりづらかった生徒たちに「ごめんなさい〜」っと贈る作品と位置づけよう。

資料として,GRAPESファイルそのものアップしてあるので,お暇な方はこちらからダウンロードください。

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