はじめに〜私の基本的な考え方

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Apr. 25, 1998(はじめに)
 インターネット全盛の昨今、私の生まれ島である喜界島にも数多くのネットワーカーが棲息していらっしゃるようで、島からの情報発信もとみに増えてきた。嬉しい限りである。技術的にもレベルの高いものがあって、当地の友人・知人にも積極的に紹介している。
 しかし、正直なところ物足りないのは、多くが似たような切り口で、ソースの共有もままあるのではないか? と感じられることである。もう少し違った視点があってもいいのに、と常々思っていた。

 ♪ 喜界良いとこ一度はおいで ♪ と、喜界小唄のような宣伝もよいのだろうが、いま現在島に住む人達が奄美・喜界の抱える問題に目を向け、歴史を振り返る視点がもう少しあってもいいのではないか? あるいは、故郷を離れて暮らすにつれ深まる郷愁を吐き出し、島を離れた人間の声を集約するような場所があってもいいのかも知れない、との思いもあった。そういう思いからこのページを作り始めることになった。

 したがって、観光案内などは、喜界島関連リンク集に登録されたサイトをご覧頂きたい。
 そういうものに私が価値を置かないという訳ではない。今さら私が作るよりも、ずっと技術的にも優れた、また現に今住んでいるからこそ可能な、素晴らしい情報発信が既にそこにある。観光案内などはそちらを御利用いただいた方がよほど確かなのである。

 島にゆかりのある方、無い方に関わらず、この一文を読んで下さっている方にお願いしたいのは、ゆったりと自然を満喫できる観光地としての奄美だけでなく、そのゆったり感の根底にある奄美の「こころの豊穣」と、それを育んできた歴史と風土についても、もう少し知っていただきたい、ということなのである。
 無論、かく言う私も自分の生まれ島の事をろくに知らないままに島を出て「旅の空」の下にある。
 しかし、三十路も半ばを過ぎて不惑に手が届こうかという歳になって、不覚なまでに島への思いは募る一方であり、今さらながらに己が生まれ島についてもう少し深く知りたいと願うようになってきた。その島々の自然を、文化を守り、人々が発展していくために必要なことは何なのか、考えてみたいと願うようになってきた。
 ここを訪れた方々にも一緒に考えていただきたい。できればその声を私に伝えていただきたい。ひとりでも多くの方に、いや、ひとりでもいい。声を寄せていただいて、ここがそのような場所に育っていってくれれば、と切に願う。

 島を離れた人間が、島の外から島のことに口を出すな、と言われそうな気もするが、その点については、近々「旅の島人の論理?」と題して書いてみたいと考えている。

 したがって、このサイトで取り上げるのは、決して私ひとりの声ではなく、出来るだけ多くの方の多様な声を取り上げていきたいと考えている。
 既に、多くの方から原稿を寄せて頂いているので、仕事の合間を縫っての作業ではあるが、一つずつ、着実に電子化して掲載していく方針である。原稿の電子化という単調な作業をお手伝い願える奇特な方がいらっしゃれば、声を掛けて頂ければありがたい。もちろん、他人様をあてにせず、牛の歩みで続けるつもりではあるのだが。
 原稿を寄せていただいた方の中には、ネットワーク環境が身近にない方も多くいらっしゃる。それでも、喜界島をはじめとする奄美の、ひいては琉球弧の島々抱える問題を、自分の思いを、1人でも多くの方に知って頂きたい、との思いから原稿を寄せていただいた。
 各原稿についての感想などあれば、bak@po.synapse.ne.jp まで寄せて頂ければ、確実に著者へお届けできると思う。

 最後に、私の編集方針について述べておきたい。
 基本的には、軽さを旨とし、インターネット接続環境にあれば誰でも見られること、誰にでも作れる(=お手伝い頂ける)程度のものであることを前提として作っていく方針である。
 多くの原稿をお預かりしていることもあり、テキスト主体の構成である。状況説明のために必要な画像はいくらでも使用するが、雰囲気のためのバックグラウンド画像などは用いない。
 また、フレームタグは一切使用しない。私は「迷枠」追放運動の隠れシンパでもある。テーブルタグも、不可避の必要性が生じない限り使用しない。より軽い、他の表現手法があるはずである。
 そんなわけで、見た目としてはとてもではないが味気ないと思われる。味気なさも味のうちだ、という強弁を笑って許して頂きたい。