古里帰り

大工の徳さん〈上園田徳市〉 TOM UESONODA USA

見えた 見えた
小さい島 喜界島が
飛行機の窓の下に 小さく
あの村 あの浜 あの道
幼い頃の
思いでいっぱいの 古里よ

来たか 来たか
生まれた島 喜界島に
どこの誰が 迎えに来ているだろう
白髪混じりの 浦島太郎
やっと帰ってきた 古里に

泣けた 泣けた
懐かしい味の 涙で
昔の恋人と 古里には
昔のままで あってほしい
胸いっぱいの
思い出暴れまわる 古里帰り


WEB master 註:この「古里帰り」という詩は、羅府新報の第4回(2003年度)ポエムサロン 一般の部 年間賞(ペンてる賞) に選ばれている。
この詩に限らず、徳さんのエッセイや詩は今年も数々の北米邦字紙のコンテストに入賞を果たしているのだが、それらについては、おいおい紹介申し上げたいと思う。
乞う、御期待!