ちょっと一言

           ここでは管理人が普段考えていることや
          困っていることをちょっと一言書いてみます


●カヤックの安定性は長さで決まる。  2015.9.30
シーカヤックを選定するときに低価格と艇の長さの短いのを購入あるいは自作しようとされる方が
多いように思います
私はできるだけ艇長の長いのをお勧めしているのですが価格の高いのを
売りつけようとしているように誤解される場合があります。
あるWEBでシーカヤックマラソンに艇長の短いカヤックで参加され、湾外の外洋に出ようとしたら
うねりが大きくとても無理と棄権された記事が出ていました。
外洋で乗るシーカヤックは下図の様な状態で船体がうねりから次のうねりに届くことで安定します。



外洋では3m級のカヤックは操船が難しく危険です。
3m級は川や湖などの波のない静水域でしか乗れないと思ってください。

理解してない人が多いので図を載せてみました。








今日の一言・・・・・船の安定性は喫水線で決まる
    2013.7.2
前回は船の長さと安定性について書きました。
今回は喫水線について考えてみます。喫水線とは船体の水面との
境目のラインのことです。船体に対して喫水線が低い位置にあると
水中の部分が小さくなり水の抵抗が少なくなります。
船足が早くなりスピードが出ます。
沖縄のサバニなどがそれに該当します。
スピードも出るし浮力も大きいですが安定性は風や波に対して
あまりよくはありません。
日本からサウジなどへ航行するタンカーは空荷ではなく水を
満タンに積み込んでいるそうです。大型の船ですが空荷だと喫水線が
下がり風や波の影響で転覆しやすくなるからだそうです。。

私がカナディアンカヌーを海で使ってはダメだといつも言うのは
まさに喫水線と安定性の関係からです。
浮力が大きく、喫水が浅いと風に流されやすく波で簡単に転覆します。
ではシーカヤックはどうでしょう。一見細身で、喫水線も高い位置に来ていて
すぐに転覆しそうに思えます。
しかし水中に没している部分が大きいので風で流されにくく重心位置が
低くなるので安定するわけです。
ゴムボートも浮力が高く》安定性はいいように思えますが風が強ければ
流されて制御できません。

海で使う船は喫水線が深いほど安定し、転覆しにくくなります。



今日の一言・・・・・シーカヤックは長いほど安定性が良い  2013.6.10

シーカヤックを選ぶときには人それぞれの考え方があります。
デザインで選ぶ・長さで選ぶ・重量で選ぶ・価格で選ぶ等と思われます。

しかし選ぶ時に安定性の部分を意外と考慮していない方が多いようです。
シーカヤックは全長が長いもの(4.5m以上)が多いですがなぜだと思いますか。
実は船体の安定性は船体の巾よりも長さで決まってくるからなんです。

これは波の波長が3m〜5m位のために一つ目のうねりのてっぺんから
次のうねりに船首が楽に届くほど安定がいいのです。
全長3m位だと次のうねりに届かず前後が上下に揺られてしまいます。
左右の揺れは腰でバランスを取れますが前後の上下の揺れはバランスを
取るのは非常に難しいです。(ロデオをイメージしてみてください)
短い艇が転覆しやすいのは前後方向の揺れのためです。
当社のタンデム艇LPSKW3ー4Pは全長6.5mですが巾は620mmしかありません。
市販のタンデム艇は巾が750mm以上800mm前後が多いようです。
それと比較しても細身だとわかると思いますが安定性は抜群です。
理由は全長が6.5mもあるのでうねりの次の山に常に届くため前後の上下の
揺れがほとんどないからです。
事実かなりの三角波のなか安定していました
(おまけに細身なのでスピードは早い・・・・・シングル艇ではなかなか追いつけません)
安定性については他にもいろいろな要素がありますが次は次回に。









●「FRP神話」は勘違い

最近、FRP処理をしないとベニヤ艇は強度が出ないのでは
という質問をよく受けます。
確かに、自作者のHP等を見るとFRP処理をしている
方が多いようです。
そんなHPを見ての質問だと思うのですが
ちょっと勘違いしているようですのでここに
書いてみます。

@船体の強度とは

よく受ける質問の強度とは何でしょう。

「岩場に乗り上げても大丈夫か」

この質問は非常におかしいと思います。
大型船のFRP船や金属船でもよく座礁・浸水した
ニュースを見ますね。
まして小型の艇ならもっとひどいことになります。

船体の強度は正確に出せません。
経験で構造的により強度が出るようにしているだけです。
事実、成型した既製品のFRP艇のメーカーでもでも数値的な
強度を出していません。
計算法がないからです。
実際、FRPのメーカーでも岩場に乗り上げても
大丈夫というところはありません。


建築の構造計算法も長年の実験と経験から割り出されたもので
1+1=2のような確定したものではありません。(近似値です)


AFRPは強いのか

よくベニヤ艇は既製のFRP艇より強度が劣ると
思っておられる方がいますがどうしてでしょう。

それは完全にイメージだけだと思います。

ベニヤ艇にFRP処理をしているのは
接合方法が突合せのためつなぎ目の
強度を出すためです。(スカーフ接合も含めて)

さまざまなFRP処理のHPを見ますと
すべて突き合せ接合です。

ウッドストリプ工法(細引きの木材を型に沿わせて船体を作る)は
FRP処理をしなければ接合部が強度的にもたないからです。
FRPなしでは乗れる船にはなりません。


BFRP処理はどの程度すれば強度が出るのか。

100番とか200番程度のガラスクロスで強度が出ると
勘違いされている方がいますが
厚さが10mmくらいのグラスマット積層でないと
強度はでないそうです。
2艇分くらいの重量でとても1人では持ち上げられません。

C「レーザーパズル工法」はなぜFRP処理をしないのか。

@ABで書きましたようにFRP処理をしなければいけない
艇とは構造が異なります。

隔壁材がすべての船体部材にホゾ差しされ
たとえ接着材が劣化してもはずれない。

船体材同士も凹凸のかみ合わせ構造で接着剤が劣化して
部材同士のずれがおきない。

船体部材の長手のひょうたん継ぎ手も
接着剤が劣化しても引き抜き力に耐えられる。

色々書きましたが、接着剤はいつか必ず劣化するということです。
接着剤はあくまで2次的に使うのが合理的な考え方です。

船首・船尾はタコ糸での締め付けにより
ベニヤを割れることなく絞込みシャープな形状と
曲げテンションにより十分な強度が出せる。


書けばきりがないのですが

「FRP神話」は勘違いです。

昔から日本の木造船はFRPなど使わなくても
使われています。
また競艇で使われるボートもFRP処理はしてありません。

ベニヤを曲げ込んで作る弾性強度はFRP艇に
負けるものでは決してありません。

むしろ衝撃にはFRP艇よりもすぐれたものがあります。

知ったかぶりのFRP論にはうんざりしています。

物事の真相をよく考えれば分かることだと思います。

FRPを非難しているのではなく、FRPが絶対だと
妄信するのが帰って危険だと思うので書いて
みました。



○プロほど見えなくなる。        2006.6.25

先日、福島の出村さんとお会いしていろんな意味で
勉強させられました。

私は建築のプロとして長年やってきましたが、建築模型の世界に
入っていきました。官公庁・ゼネコン・設計事務所等からの発注で
模型製作をやってきましたが、4年ほど前にベニヤのカヌーにめぐり合い
その魅力にどっぷりとはまりました。
試行錯誤を繰り返しながらカヌーの設計を繰り返してきています。
まだまだ初心者で未熟だとは自分でも分かっているつもりです。

出村氏のお話を聞いて随分勉強になりました。
その道のプロはたくさんいると思うけど、大事なことは
お客さん(素人)に分かる言葉で説明できなければ
商品が売れるはずがない。売り手の情熱や真摯さがなければ
買ってもらえるはずがない。

本当にそうだと思いました。

よく横文字を並べたてて説明する営業マンがいますが
時として理解できないことがよくあります。
(これは建築やカヌーの世界でも同じで
そういう人たちが多いように思います。)

たぶん本人もマニュアルの受け売りを説明していて
よく分かっていないのではと思うことがままあります。
これでは商品が売れるはずがありません。

彼の推奨している「手書きチラシ」は実に新鮮なものでした。
地域の方言で自分の顔が見えるようなチラシ作りです。
全国各地で公演をして参加者が実績を上げているそうです。
これはきれい事を並べるのではなく、売り手の本音が見えなければ
いけないということだと思います。

プロほど勉強しなくなり、努力しなくなる。
いつも自分に言い聞かせながら
ずっと初心者を続けていこうと思います。


出村氏の出した本を2冊をご紹介します。
興味のある方はお近くの書店で購入してみてください。

本のタイトル  儲かる手書きチラシ作成術
著者       出村邦彦
発行所      有限会社 ハギジン出版

本のタイトル   もっと儲かる全国手書きチラシ実例集
著者       出村邦彦
発行所      有限会社 ハギジン出版




○今年1年を振り返って          2005.12.31

今年は衝撃を受けるような事件や事故が多い年でした。

特に私が一番悔しかったのは構造計算の「耐震偽装」でした。
コストが優先して建物の安全性が確保されていない。
建築の技術者として、長年現場施工をしてきた私には
信じられない出来事でした。

特に怒りを覚えたのは、デベロッパーやホテルコンサルタント
の発言でした。
建築の技術も分からずに鉄筋のu当たりの重量で
鉄筋量を判断するなどあきれてものが言えません。
構造計算は基本的には、コストを経済的に、かつ安全性を
確かめるために行われます。
素人が知ったかぶりで鉄筋量をのたまうなどもってのほかです。
こんな手合いは徹底的に糾弾されるべきです。

建築の施工や設計の技術者は膨大な知識を必要としています。
日々、勉強し、技術の向上を目指しています。
全国の技術者たちはきっと悔しい思いをしていると思います。

うれしかった身近なことはいくつかありますが
天草の中学校でカヤック制作に出向き、子供たちの
さまざまな個性を見られたことでした。

最近思うのですが「理念」がなければどんな仕事も成功しない。
お金だけが目的では「豊かな精神」ははぐくまれない。
さまざまな事件をみるたびにそう思えてなりません。

来年は子供たちとの活動ができればと考えています。

・・・・・夢をかたちに・・・・・子供たちに夢を

○夢とあこがれ             2005.6.11

最近、自分自身ちょっと説教がましくなって
いるような気がしますが・・・・・・・・

昨年、地元の中学校から職場体験を依頼され、
私の事務所も狭いので「少人数なら引き受けます」と
返事をしましたら、女の子2名が応募してきました。

前日に履歴書をもって面接形式で二人がきて、
当日の打合せをして帰しました。

当日は、パソコンで画像処理やCADで作図して
家の模型をカットマシーンでカットして組み立てるという
作業をさせてみました。
2人に将来の夢を聞きましたら、一人は絵本作家になりたい。
もう一人は建築の設計の道に進みたいと話してくれました。
絵本作家になりたい子にはこんな話をしました。
「絵本作家で食べていける人はそんなにいないんだよ。
どうしてもやりたければ、将来、別の仕事をしながらでも
がんばってみなさい。あこがれだけでは自分の夢に
到達できないんだよ。」
もう一人の子は設計士を目指していました。
進学はどうするのか聞きましたら、工業系の高校をでて
就職したいとのことでした。そこで私はこんな話をしました。
「建築家の安藤忠雄さんを知っているかな。彼は高校しか
出ていないけれどアメリカで建築を独学で勉強し、世界の
安藤と言われるようになったんだよ。彼は才能があり、人の何倍も
努力したんだよ。君も才能はあるかもしれない。しかし、現実は
設計事務所で採用するのは大卒ばかりなんだよ。」


夢と憧れを混同してはいけない。
「夢」はそれを実現するために、回り道もしなければならないし
血の出るような努力があってこそ実現できるんだ。
あこがれを「夢」とカン違いしてはいけない。
よく勉強が嫌いだから進学しないで就職する。
こんな子が最近多いと感じます。
そんなとき、「学校の勉強」から逃げても社会に出たら
学校の勉強よりもっと難しい勉強を一生しなければ
ならないんだよ。
苦手でもがんばれば必ず役に立つときがくる。
どこかで逃げたら「夢」は実現できないよ。

私はそんな話をしました。
後日、二人から手紙がきました


お話を聞いて、よく分かりました。あこがれではなく「夢」を
実現するために苦手な勉強もがんばってみます。

私は「夢」は簡単には実現できないから「夢」であり、
それに向かって努力を続ければいつか実現できる日が
来ると信じます。

一発勝負の生き方では 本当の「夢」は実現できない。
見た目のかっこ良さより、心をかっこ良くしなさい。
今、こども達にそんな話をしようと思っています。

冒険は誰でもやろうと思えば出来ます。
本当の冒険は心の中にあるんだ・・・・最近そう思うことが多いです。



○最近はやりのNPOについて    2005.5.15
 

 最近、ずいぶんNPO(非営利活動法人)の数が増えてきたようです。
 私も2年ほど前にNPOを立ち上げようと思い、いろいろ調べたのですが
 とても仕事と両立できそうになく、断念しました。
 なぜNPOを立ち上げようと思ったか。
 色々な役所に水辺関係で出かけると、NPOを立ち上げれば
 随意契約で仕事を出せると言われたからです。
 最近、訳のわからない、得体の知れないNPOが増えているように
 思います。やくざが絡んだNPOも新聞記事でみました。
 まじめに活動しているNPOの方々には非常に迷惑だと思います。
 私は民間の営利企業の経営者ですが、カヌーキットの販売については
 きちんとした理念と情熱を持っています。(私のライフワークです)
 役所の仕事はもらえませんが、逆にいえば、役所に管理されない分、
 自由に活動や発言ができます。

 先日も北海道からメールを頂き、HPに理念や情熱を感じる、ぜひ町おこしに
 使いたいというという嬉しい内容でした。
 うまくいけば儲けもの、民間企業の隠れ蓑のそんな一部のNPOの姿をみると
 腹がたちます。まともな理念のある民間企業の方がよっぽどましです。
  役所の方々もNPOに関しては、もう少し考えて発言して欲しいと思います。
 このままでは、本来のNPOの趣旨が変質してしまうのではと思います。
 そう思うのは私だけでしょうか。



○船体の形状について VOL2     2005.2.11

A、船体の強度について

「4mmベニヤで船体強度は大丈夫か」という質問を
受けますが A図 の左図のような平面状態の薄板の場合
荷重がかかるとたわみます。
しかし、右図のように曲げをかけた薄板の場合
荷重をかけてもたわみません。
ベニヤの船体は全体的に曲面構成になるため
充分な強度を確保できます
車のモノコック構造とまったく同じです。


B、船体形状について

前回指摘した喫水線は B図 のように8分割と4分割では
喫水の位置が異なります。
8分割艇は重心位置(シートの位置)が水面下に
かなり下がります。
4分割艇は重心位置が水面近くまでかなりあがります。
8分割艇が安定がよく風の影響を受けにくいのは
水面下にはいっている部分のボリュームが大きいためです。

船体を傾けた場合の 許容傾斜角度も下図のようになり
それを超えると簡単に転覆します。
もちろん漕ぎ手の技術も影響しますが
許容傾斜角度が大きいほど転覆しにくい船といえます。



8分割艇が見た目よりも安定し、風の影響や横波の
影響を受けにくいことがお分かりいただけたでしょうか。
もちろん8分割にすればよいというものではありません。
力学的な理論と試乗を繰り返し編み出した形状です。

LPSKS2とLPSKS4はまさに理論通りの船体になっています。


○船体の形状について      2005.1.31
 
私がカヌー・カヤックのキット化を手がけるようになって
3年が過ぎました。
(理論的な考察で設計する)
シーカヤックの形状について色々な意見があるようですが
シーカヤックはなかなか難しいものだと思います。
LPSKS2やLPSKS4の船体部分は色々考え、
8分割の部材で構成しています。
4分割や6分割ではどうしてもクリアーできない問題点が
あるからです。
8分割にすることで箱型の船体形状では出せない
丸みを帯びた船体形状が出せます。
それにより、ベニヤ艇の致命的な欠点である浮きすぎを
押え、適度な深さの喫水線を確保できます。
これは海で使用する場合に、船体の安定性の確保と
風の影響を極力押えることにつながります。
4分割艇や6分割艇ではどうしても箱型形状になるため
喫水線が下がりすぎ、いわゆるタライ舟状態になりがちです。
箱型形状は一見、安定性がいいように思えますが
ある程度船体が傾いた場合、一気に転覆します。
船体側面に波を受けたときに良く分かります。
LPSKS2の8分割船体はある程度傾くと、復元力が働き
転覆しにくいです。事実、200名以上の初心者に
体験してもらいましたが転覆した人はわずか2名でした。
よく、漕ぎのプロが船体形状について色々おっしゃいますが
感覚的な物言いで私にはよく理解できません。
力学の法則にのとった考え方で考察しなければいけないと思います。
LPSKS2の船体は私なりの理論的な考え方で構成したものです。
CADとレーザーカットの組み合わせだからこそ、精密な
8分割船体形状は実現できるのです。
私の設計した船は必ず自分自身でテストパドリングをして
結果を確かめています。
キットのかたちで商品化する以上、当然のことだと思います。

初心者が安心して乗れる・・・そんなキットを目指しています。

○悔しさをバネにして
    2005.1.16

10年程前から建築模型の仕事を確保するため
東京や大阪に営業活動に出かけていました。
当時、鹿児島で受注する仕事ではとても生活できず
苦労していました。
当時はパソコンも原始的なもので、今では考えられないような
レベルのものでした。
あるとき、建築模型の同業者の会が大阪であり、
自己流の模型で、自信もなかったので情報収集のために
参加してみることにしました。
当時、東京や大阪の同業者が地方の大型物件の
模型を作り、新聞やTVで見るたびにうらやましく思っていました。
参加してみて感じたのは、設備とスタッフ数のちがいだけで
技術力は差がないなと内心思っていました。
しかし、懇親会の席で完全に見下したような態度の方もおられ
悔しい思いをしたものです。
あるメーカーさんの仕事を下請け受注して、大阪の会社へ
打合せに行きましたら、、担当部長さんが出てこられたので
名刺交換をしましたら、「鹿児島から来たの、そんなに遠くから」
と明らかに馬鹿にしたような口ぶりでした。
かなり腹が立ちましたが、技術力で勝負してやると思ったものです。
実際、当時東京や大阪に営業に出かけますと、「だめだよ、近場でなきゃ」
と話も聞いてもらえないことが多かったです。
時が流れて、現在はインターネット時代で地方で活動しても
仕事は受注できます。

カヌーキットもスタートしたとき「ベニヤの船で大丈夫か」と明らかに
馬鹿にされる方も多かったものです。

しかし、己を信じてさらに良いものを、さらに安くと考え
今日の「レーザーパズルカヌー」があります。

日本一の模型屋にはなれなかったけれど 日本一の
カヌーキットメーカーにしてやろうと思っています。

東京や大阪だけが一流ではない、
地方でもがんばれば一流になれる・・・・いま地元の若者に説いています。

  人は悔しい思いをすれば成長します・・・・・悔しさをバネにして



○カヌー事故について思うこと    2004.11.18

先日、鹿児島の錦江湾でカナディアンカヌーの事故がありました。

ウッドストリプ工法の見事なカナディアンだったようです。
一人で進水式をやりに出かけ、ライフジャケットも着用せず
漕ぎ出し転覆して行方不明になっています。

このニュースをTVで見て、残念なことだと思います。

私はカナディアンを購入される方には 絶対に海で乗らないように
相手が気を悪くするぐらい念押しします。
カナディアンが嫌いなわけではないのです。

最初、LPRC1を作り上げ川内川の河口に近いところで
試乗をしたときのことです。
ちょうど上げ汐になり、海側からの風が強くなってきた時間帯でした。
最初、二人乗艇でで漕いだときはよかったのですが、
一人で漕ぎ出したところ風と上げ汐で上流側へどんどん流されました。
これが下げ汐で、風向きが海へ向かっていればあっとゆう間に沖へ流され
大変なことになっていたと思います。
幸い岸につけることができて無事でしたが、あとで冷や汗が
でてきました。

自分達が経験したことから、皆さんに知ってもらいたかったからです。

※カナディアンの特徴としてはじめての方が考えるのは
 以下のようなことだと思います。

@船体巾が広く、安定性が良さそう。
A船底が平らで回転性が良さそう。
B初心者でもすぐに乗れそうだ。


これは静水上ではその通りだと思います。

それでは海ではどうか。

@船体巾が広いため水中に沈む部分が少なく
  波の影響と風の影響をもろに受けやすい。
A船底が平らなため、ある程度の傾きを超えると
  簡単に転覆し、船体を立て起こせない。
Bキールがないため回転性はいいが直進性が悪
いため
  波や風がでてくると初心者では操作が難しい。

このようなことが理解されていないため今回のような
事故が起こったのだと思います。

それでは海用のシーカヤックの特徴はどうでしょう。

@船体巾が狭く一見安定性が悪いように見えるが
 座席の位置が水面下になり、重心が下がっているので
 波や風の影響を受けにくい。
Aキールを取っているため直進性がよく、
  風や波の影響を受けにくい。
  また、船体巾が細いため転覆しても船体を立て起こしやすい。
B初心者が乗っても意外と安定している。


このような違いがありますので使用する場所でカヌー・カヤックは選定して
ほしいと思います。

楽しいカヌーライフを送るために以下のことを
必ず守って欲しいと思います。

@カヌーに乗るときはライフジャケットをどんな場合でも
 着用すること。
A初心者は絶対に一人で漕ぎ出さない。
 (経験者の指導を受ける)
Bカヌー・カヤックは使用する場所で選定する。

  海・・・・シーカヤック  
  川・湖・・・・・カナディアンカヌー・リバーカヤック

これは、水辺で遊ぶための最低限守るべきことです。

「カヌー遊びは自己責任」だとおっしゃる有名な方がいますが
ひとたび事故が起きると多くの方に迷惑をかけます。
私たちは一人で生きているわけではありません。
事故を起こさないようにお互いに気をつけることは
大事なことだと思います。


皆さんが安全に水辺を楽しむことを願っています・・・・・管理人

○シングルカヤック面白い!!  2004.7.10

  最近、シングルカヤックに魅せられています。
  船体巾が狭く、細長いのですぐ転覆しそうに思えますが
  これがなかなか転覆しません。
  バイクや自転車と同じで腰でバランスを取るので
  慣れてくると船体のゆれに対して頭を動かさず
  下半身でうまくバランスが取れます。
  振り子のおもりの部分が船体と考えればよいと思います。
  静止しているときよりもスピードが出ている時に
  さらに安定して波の影響もあまり感じません。
  船体デッキの裏面に膝を広げて当て、下半身が
  艇の動きと同じになれば大丈夫です。
  よく沈する人をみていると上半身に力が入り
  重心が上になっているように思われます。
  初心者に肩の力を抜いて漕ぐように指導すると
  ほとんどの人が沈しません。
  船体にかかる重心の位置が水面より下がっているため
  案外安定しています。
  シングル艇はパドル操作でいろいろな動きができます。
  シングル艇でパドルさばきの練習をすれば
  ラダーがなくても自由に水面を動けます。
 
見た目より面白いシングル艇にチャレンジして
  ほしいと思います。



○「カヌー製作友の会」とのかかわりについて   2004.6.20
  
  私と「カヌー製作友の会」の管理者の井瀬さんとお付き合いが
  始まったのは3年前ぐらいでした。
  
  当時、私の本業の建築模型のなかでカヌーのミニチュアを
  つくらなければならなくなりHPを検索してたどり着いたのが始まりです。
  最初、HPを拝見して3次元解析の理論に驚かされました。
  私たちが建築模型を製作する場合、CADを使い
  NCマシーンで精密カットをして、正確な縮尺のミニチュアをつくります。
  設計図もCADデータで受け取り、正確なカットで組み上げたものは
  背景合成をすれば一般の方々にはミニチュアとわからないくらいです。
  
  井瀬さんの場合、私が一番驚いたのは、エクセルを使って座標計算をして
  正確な2次元展開をしていることでした。
  井瀬さんもCADを使われるようですが、なぜこの方法を採用されたのか
  気がついた方がいらしゃるでしょうか。
  一般の方はCADをもっていらしゃらないので、皆さんのパソコンで
  必ず使用できるエクセル(表計算ソフト)を使われたのだと思います。
  皆さんにデータをお送りするために考えついたすばらしい発想です。
  
  私自身、「カヌー製作友の会}に入会して、ベニヤの船でほんとに大丈夫かなと思いながら、
  カヤックのデータをいただいてジグソー鋸でカットして組み立てたのが最初でした。
  進水式の時も正直言って不安でした。
  しかし、実際に乗って見るとまったく問題ありません。
  これで、すっかりはまってしまいました。

  キット化のご提案をいただいて、試行錯誤して送り出したのが
  「レーザーパズルカヌー」キットです。

  実は、井瀬さんとはまだ一度もお会いしたことがありません。
  また、電話でのやりとりをしたこともありません。
  メールのみのお付き合いで3年過ぎました。
  しかし、お互いの船つくりへの夢を共有することで信頼し合えるのだと
  思います。

  おそらく、会員の皆さんも不思議におもっていらっしゃる関係は以上のようなものです。