コラム酒池本林 怪しい店主の近況報告です。


「酒池本林」2001年06月4日記
                        「酒池本林・DNAそのU・010604」

大正6年生まれの母が、2ヶ月ぶりにわが家に戻ってきた。
この春、母のためにバリアフリーのリフォームをはじめたので、その間、「虹の丘」という施設にあずけていたのだ。

母は、たまにショートステイをすると規則正しい集団生活のためだろう、施設では元気がいい。
ところが、念願の実家に戻ってくると、逆に元気がない。
環境がかわると、順応するのにとまどうらしい。
それとも集団生活の不自由さからくる、気ままな暮らしへの反動だろうか。

食事のときも目を瞑(つぶ)りながら・・・まるで重病人のようだ。
車椅子での移動はなんとか自力でできるが、トイレが不自由になった。
テレビやラジオの番組にも興味を示さなくなった。
毎朝の日課にしていた、新聞の死亡欄にも目を通さない。

老衰という現実が眼前にある。
いつか来た道を、母も通りつつあるのか。
肺炎や喘息もなおったし、自然な老いかたなのだろう。
孫たちとの同居暮らしも七年近くなった。
平均寿命(83,82歳)もクリアーした。

後生への旅は誰にでもやってくる。
それぞれに順番もあるのだろう。
大切な存在たちがみんなつながっている。
つながるいのちに目覚めるのも節々の折り目のころだ。
奄美はそろそろ梅雨があける。
九州南部地方は今日、梅雨の入りだ。


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