今月の一押し
['97.02]
「おきなわが独立する日」ウチナーがドゥータチする日
なんくる組[編] 夏目書房 1,456円(税別)
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(目次)
プロローグ
第一章 2015年への船出
第二章 ヤマト世(ユー)の終焉
第三章 アジア・太平洋のアジマァ
第四章 ウチナー式政経モデル
第五章 語やびら(かたろう)、琉球独立運動
第六章 隔ての海を結びの海へ
あとがき
沖縄年表

(帯より)
おっさん
「ほっ、ほんまでっか。  ほんでも何がどうなったんやろ、  わての親は本籍は沖縄でんねん、  そいでわての本籍は大阪やん。  このままで親子で外国人同士  いうことになりまんのか?」
教授
「そうですね、琉球国民に  なるんだったら、日本国籍の  離脱をしなきゃいけない」
おっさん
「わてが日本人やめるんでっか?」
教授
「そんな大げさな・・・・  うーん、でも大げさな言葉に  なっちゃうね」
--本文より
 出るべき本が出た。  沖縄の基地問題に対する、日米両政府のウチナ−をナメきった対応を奄美から見ていると、沖縄は独立の道しかないではないか。なぜ沖縄だけが日米安保条約の犠牲にならんといかないのか。敗戦後、なぜ奄美と沖縄だけが日本の独立と繁栄のために米軍政府の統治下で苦しまなければいけなかったのか。  本書はウチナ−が「さらば!ヤマト」、「長らくお世話になりました」とみくだりはんを叩きつけて、ついに「199X年、琉球共和国成立」に至るまでのドキュメントドラマだ。  1995年に映画化された「さらば!日本」の姉妹編みたいで、軽いノリの中にもなかなかの読みごたえがある。沖縄の過去現在未来を易しく照らし出しながら、沖縄の独立の必然みたいなものが、手に取るように伝わってくる楽しい本だ。  日本一の文化大国、オキナワならではの本領発揮の一作。  「将来、奄美が参加することだって考えられるわけです、」と、琉球政府の会議室でM村が主張している。  最後にちょっとだけ聞いてみよう。「私は、離島を代表して、各市町村が対等な立場で、交代で行政に参画する、島嶼連合を主張いたします。首都も持ちまわりにすれば、一極集中をさけることができるわけです。」  (後は読でぃくりんしょうれ)。

(本処あまみ庵代表:森本眞一郎)


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