今月の一押し

[2000.07]

『生命めぐる島・奄美・森と海と人と』

 ホライゾン編集室
 南日本新聞社・2000年6月発行
 139頁・1905円(税抜き)

本誌の写真と編集担当の浜田太さんは、アマミノクロウサギの生態写真などで全国版の写真家です。実(タネ)は「先月の一押し」の『奄美AMAMI大古のささやき』の著者・濱田康作さんと同じハマダ家の弟さん。今や奄美の写真界で大活躍のお二人ですが、性格がム〜ル(verry)違うので写風もおのずと異なってます。「ヒトゲノム」とやらも一筋縄ではいかない!……オンリーワン=私があっての多様性ですからね。

本誌の編集方針は、「奄美の自然やそれにまつわる仕組みを多くの島の子供たちに知ってもらうため」だそうです。なるほど、「奄美の自然を考える会」の重鎮がたを筆頭に、奄美博物館・奄美海洋展示館・奄美野鳥の会・奄美民俗談話会・笠利町歴史民俗資料館などなどで活躍中の18人の執筆陣もスゴイ!といえば凄い。

だからこれ一冊を眺めていれば、奥深くて得体の知れないケンムン(自然神)の棲む「アマミ?」という島の全体性が、おぼろげにもわかったようなキになれます。ほんと。雑誌「ホライゾン」のユリコ編集長の心意気に尊とがなし!の合掌本です。

ついでに手をたたいてのお願い。このノリで、「歴史編」「神々編」「しまぐち・しまうた・しまをぅどぅり編」「民俗編」…などなどもジャンジャン出していただけるとありがたい。シマの状況からして早いほうがいいのですが。

「この本をひと言で表現するならば、森から海へ生命がつながる奄美の大自然と、そこに芽生えた文化も取り入れた一大絵巻といえます。生命の繰り返しの中で森が育ち、海が育ち、人がその中で生活する姿を思いつつ」(「この本を読む皆さんへ」大野隼雄さんより)

ちなみに、私の名前の森本も、森が本です。(^^ゞ

  

(本処あまみ庵代表:森本眞一郎)


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