今月の一押し

2000年5月14日記

『それぞれの奄美論・50―奄美21世紀への序奏―』
南海日々新聞社編・二〇〇一年五月二十日発行・
1800円+税・273p

発行日にさきがけての「今月の早押し」です。

歴史・民俗・文化・政治・経済・環境・教育……
「内」と「外」50人の精鋭が、いま奄美を語りだした。
そこに、奄美の未来像が鮮やかに浮かび上がる。
南海日日新聞・人気連載企画を完全収録

権力の抑圧や収奪に抗ういくつかの歴史体験があったとはいえ,奄美人としてのアイデンティティは揺れ動き、自立性や内発性を押し込められてきた。
もちろんマイナス面ばかりではない。
歴史的地理的に大和と琉球の「周縁」という条件や、遅れてやってきた近代化のために、固有性を保持しながら多様で複合的な独自の文化を育むことができた。
しかし、今日、奄美のシマジマも「本土並み」に消費社会の波に覆われ、人々の意識や価値観は変化し、個性的な生活文化の根を「画一化」が大きく揺るがしている。(まえがきより)

奄美とはいったいなんだろう?
あなたにとってのアマミとは?

そんなソボクな疑問に50人の筆が投げ出したのが本書です。
奄美在住者は二十人、残りの三十人は島外に住む人たちです。
一筋縄ではくくりきれないアマミという貌が、百個の瞳で捕えられるとどのような像を結ぶのか。
てんでバラバラのようでいて、同時にアマミというシンが具体的にあぶりだされています。
ちなみに私も書いてます。読んでください、「本当の日本人」(タイトル)。

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