こんな本入りました!

2000/12/09記

今年は、海外の雑誌に奄美が結構フューチャー(特集)された。
海外といっても沖縄や大和のこと。(^○^)
そこで、12月の「こんな本はいりました」は、3〜4冊のお薦めの雑誌を紹介したい。
その第1弾がこの「FRONT」。中身の濃さではダントツだ。

『FRONT』水の文化情報誌 2000年4月号
  (財)リバーフロント整備センター
      2000年4月1日発行・1553円(税別)・75頁


特集 大奄美 南風の宇宙詩


            
             
                




                 目次

  神の上に水がある
  アマミの宇宙を歩いて――風土の、さらなる深みへ――
                             島尾ミホ×吉増剛造
  島の個性を創った原石                    松井輝美
  クロニクル奄美
  ぐるり奄美の顔――[ばしゃ山村そんちょう]         奥 篤次さん
              [八月踊り名人]             前田和郎さん
              [本場大島紬伝承者]            南 宏和さん 
              [料理家]                 久留ひろみさん
              [写真家]                 越間 誠さん
  故郷のイマージュ―ある同窓会の日に           島尾伸三
  シマ歌は奄美の心                       小川学夫
  シマのコスモロジー                       山下欣一
  海の境界点、奄美新史                     弓削政巳

本書は単なる奄美の観光ガイドブックではない。奄美在住(関係)者なら登場者の顔ぶれがどんなに豪華なものか察しがつくだろう。その世界の代表者ばかりだ。ディープな奄美の世界をかなり高い水準で凝縮している。

それぞれの奄美像は個々に違うのだが、読みおわってみると、ホ〜〜としたアマミの像があぶりだされてくる。高度な編集者たち・・・。

「神の上に水がある」という冒頭のタイトルは、実は、名瀬市の親ユタ・阿世知照信さん(72歳)の語りからだが、この普段着の語りの世界こそが、まさに「大奄美 南風の宇宙詩」そのものである。

全41行の詩のような語りから、最後の8行を転載して本書の紹介としたい。

月から始まって、海のお世話になって生まれて、太陽の光を、
与えられて、毎日生きる。神に頭を下げることを忘れても、
水や太陽に頭を下げることを忘れるなちゅうのが奄美。
神様に守ってもらっても、月や太陽がなくては、
生きていかれんから、神様の力をもらって、
神様といっしょに月や太陽に願うちゅうことね。
 
自然に感謝し、尊ぶのが奄美の神ちゅうことですよ。
そこからはずされたら絶対いかん。どうかはずされないように……。

20年間、奄美をオッカケしている詩人の吉増さんならではのふか〜い企画である。
「大奄美」に生まれたことに感謝!!

(本処あまみ庵代表:森本眞一郎)

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