frower2021年  2月のフィールドノートから

*番外編*2月9日 北九州市曽根干潟
 両親の介護のために帰省したついでに、久しぶりに曽根干潟へやってきた。大学時代にはチュウヒを観るために、冬場にしばしば訪れたものだ。葦原は少なくなり、もはや環境的にチュウヒはいなさ
そうだが、曽根干潟名物のツクシガモとズグロカモメは健在だった。確認できたツクシガモは20羽。大潮の干潮で汀線が遠かったため、波打ち際の白い点は双眼鏡では識別できなかったが、ズグロカ
モメやセグロカモメにまじってもっといた可能性もある。堤防を歩いていると、地元のバードウォッチャー夫婦から話しかけられ、ヒシクイとマガンが来ているはずだとの情報を得た。車で広大な埋立地を
回っていると、比較的簡単にその姿を拝むことができた。


▲干潟で休むツクシガモ。


▲ズグロカモメの幼鳥が近づいてきて、目の前で旋回。


▲農耕地で食べ物を探すヒシクイとマガン。


*番外編*2月10日 北九州市平尾台
 前日に続いて天気がよかったので、日本三大カルスト台地の平尾台を訪れた。まずは吹上峠から大平山を経て貫山へ。春の野焼き前の平尾台は一帯が枯草色の草原で、空が広くて開放感がある。
途中のピナクルの上ではツグミの姿を、ススキではホオジロの姿を確認。貫山から茶ヶ床園地に下りる途中ではチュウヒも確認。その他はハシブトガラスとシジュウカラ、ジョウビタキくらいしか出てこない。
全体的に鳥影が少ないなと思っていると、茶ヶ床園地から吹上峠駐車場までの農道に入ったとたん、アトリ科のアトリ、ベニマシコ、カワラヒワ、ホオジロ科のカシラダカ、ミヤマホオジロ、それにモズなど
、いろんな鳥が次から次へと出てきた。おかげでなかなか楽しい散策となった。


▲ススキの実をついばむホオジロのオス。


▲カシラダカのメスの後ろ姿。


▲地面に降りた2羽のミヤマホオジロのオス。


▲九州でベニマシコ(メス)を観たのは初めてかもしれない。


*2月19日 大和村思勝
 大和川でクロウサギの糞塊調査をしたあと、奄美野生生物保護センターのある思勝から大和村役場のある大和浜辺りを散策。今年は春の到来が早いのか、タブノキの赤い新芽やオキナワウロジロガ
シの鮮やかな新緑が目に映える。野生生物保護センターに隣接した公園の芝生ではハチジョウツグミがさかんに食べ物を探している。これからの渡りに備えて、栄養補給の真っただ中なのだろう。足元
のリュウキュウコスミレではオキナワカラスアゲハが吸蜜していた。翅が傷んだくたびれた個体で、発生からしばらく時間が経っていることがうかがえるが、いったいいつ羽化したのだろう。大和川の浅瀬
では死んだ魚(コイ?)をハシブトガラスがついばんでいた。


▲昆虫などの食べ物を物色するハチジョウツグミ


▲オキナワカラスアゲハ奄美亜種の春型オス


▲打ち上がった魚をついばむハシブトガラス


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