黒瀬杜氏


          杜氏の里笠沙  川辺郡笠沙町赤生木6762番地
                         Tel  0993−63−1002
          ゲットした日 : 平成13年2月4日 

 黒瀬杜氏

  この日、友人の新車お披露目ドライブで杜氏の里を目指したのであるが、私の愛車プリメーラワゴンの約3倍の値段はするであろうと思われる国産高級車は、直線道路は猛々しくいとも簡単に100Km/hに達し、田舎の曲道は遠慮がちに窮屈そうに笠沙路を駆け抜けていった。
  杜氏の里は、焼酎の杜氏を全国的に輩出していた笠沙町黒瀬地区の東シナ海に面した断崖に立っている。 引退した杜氏達が自らの伝統的技術を後進に伝えるために「焼酎づくり伝承展示館」となっているのが、観光ルートから若干外れているためであろうか、それともそぼ降る冬の雨のせいだろうか、この日は訪れる人もなくひっそりと佇んでいた。
  中にはいると笠沙町の特産品と一緒に、焼酎が陳列されていたが、展示館や焼酎工場見学はお休みであった。 私は他には目もくれず(と言うか、何度も来ているので・・・)、焼酎コーナーに歩み寄った。
  この「黒瀬杜氏(白麹)」が売り出されたのは、8年ほど前の杜氏の里の開館と同時であった。当時は手造り瓶仕込みと言うことで、人気を集めなかなか手に入らない品物であった。その後「薩摩すんくじら(黒麹)」が出て、超人気レア物製品「一どん(黄麹)」が出て、白、黒、黄の三つの麹で出来た製品が揃ったわけでありるが、どれも杜氏の里に赴くか、電話予約で宅配発送して貰うかしか購入の手立てがない。
  この焼酎を鑑定した無知な税務官吏が白い澱が残っているから不良品として、杜氏諸師の失笑を買ったという逸話があるが、今は止む無く濾過しているのであろうか、透明な液体である。 かなり残念な気持ちでいる。 やはり泣く子と税務官吏には勝てないか!
  生で飲んでみると、切れ味が良く、後味も爽やかである。
  ロックで飲んでみると、生の風味はそのままに飲み易さを増す。私は好きだ。
  お湯割りにすると、ふくよかさがあるが味わいがやや鋭敏な感じか?
  水で割った物を燗してみると、生で飲んだ印象はそのままの切れのある風味である。いわば辛口の昔ながらの焼酎を彷彿させていると言えるかも知れない。しかも全く飽きることなく、杯が進みクセになるそうな味わいである。
  どの飲み方が良いと聞かれても困ってしまうのだが、生ないしロックの方が切れ味が良く表現されているような感じがする。